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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

【家づくり攻略ガイド】家づくりの流れをつかもう

みなさんこんにちは、LIDOMAです。
本日は、家づくりの流れについて解説していこうと思います。

家づくりの流れ自体は、既に色々なサイトで手順で説明されていることが多いですよね。
しかし、それでも家づくりの流れってよくわからない…と相談されることもしばしば。

そこで本記事では、まずざっくりとした流れを把握してもらい、その後に詳細を説明することで、より理解してもらえるような記事を目指して書いたので、家づくりの流れをまずは簡単に知りたい!という方は、ぜひ読んでみてください!

理想の住まいのイメージを固める

あなたにとって、理想の住まいとはどういうものでしょうか?広いLDKだったり、ゆったりとした寝室だったり、暖炉のある空間だったり…理想の住まいの形は、人それぞれです。

そこで、まずは家族間の理想の住まいのイメージを共有してみましょう。

ただ、いきなり理想の住まいは何?と言われても、答えるのは難しいですよね。そこでオススメなのが、住宅展示場や内覧会、オープンハウスなどを見学することです。

最近では住宅メーカーのHPやSNS等で多くの広告を見かけますから、休日に家族と一緒にお出かけ気分で出向く感じでOKです!

その日訪れた住宅の感想を家族間でシェアしていくうちに、自分たちが過ごしやすいと感じる住まいの形が見えてきますよ。

また、もし既に住みたいエリアが決まっている場合は、そのエリアに訪れてみることも重要です。エリアを訪れる際は、以下の点について確認しておきましょう。

交通の利便性

通勤・通学の都合によって、公共交通を利用しやすい土地が良いのか、あまり気にしないのかが変わってきます。

自分たちの生活スタイルに合わせ、交通の利便性を確認しておきましょう。

教育施設の評判

お子様がいらっしゃる場合、教育施設の評判も気になるところですよね。自分が元々住んでいる場所の近くで家づくりをする予定であれば、ある程度、教育施設の評判もわかりますが、土地勘がない場所となるとそうもいきません。

その場合は、地元の不動産屋さんや住宅会社に話を聞いてみるのも手です。

「あそこの中学校はとても治安が良いよ」
「あそこの小学校は最近ちょっと荒れてるかも…」

とった、地元の方ならではの情報を聞くことができます。

資金計画を立てる

理想の住まいのイメージが固まってきたら、次は資金計画です。

あまり気乗りしない資金計画ですが、自分たちの理想と、実際に建てることができる規模を知るためにも、家づくりには欠かすことの出来ないステップです。

資金を計画を建てるには、大きく分けて以下の2つのことが重要になってきます。

自己資金がいくらあるか

家づくりの資金計画において、よく聞く言葉の一つに自己資金というものがあります。

この自己資金とは、住宅を購入する費用のうち、諸費用や住宅ローンを支払うための頭金(現金)のことを指します。

この自己資金がいくらあるのか検討する際に、自分たちの貯蓄の全額を住宅購入の自己資金として考える方もいらっしゃいますが、これは絶対辞めておいたほうが良いです!!

これから長い期間を生活していく上で、給料の増減があったり、子供の進学や教育費の変動、そして思わぬ病気や事故など、生活資金には様々な変動があります。

こうした事態も想定しながら、無理のない金額を自己資金に当てられるようにしましょう。

年収を元に借りられる住宅ローンの総額を把握する

住宅ローンは、希望する金額を自由に借りられるというものではありません。借入可能額を算出するための複数の指標があり、それは金融機関ごとに異なっているのです。

しかし、指標自体はどの金融機関でも共通していますから、ある程度の目安を判断することは可能です。

その指標とは、融資率・担保価値・収入・返済負担率が主なものになります。ただ、これを具体的に説明していくと、とても複雑な話になってしまいます。

ある程度方向性が固まってきたら、早めに金融機関やファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

家を建てる会社を決める

住まいづくりには、いろいろな方法が存在します。一番わかり易いのが、ハウスメーカーでしょう。

住宅展示場でモデルハウスを見学することで、どういった家が建つのかイメージしやすいですよね。その他にも、建売住宅も実物を見ることができるので、自分たちのイメージにあるかどうかを判断することが出来ます。

その他にも、設計事務所や建築家と建てるといった方法もあります。この場合、設計事務所や建築家というのは、住まいの設計を考えるプロになりますので、別途、家を建てる施工会社を見つける必要があります。

基本的には、設計事務所や建築家がオススメの施工会社を紹介してくれますので、一緒に最適な施工会社を探すと良いでしょう。

土地を探す

家を建てる会社が決まったら、次は土地探しです。

住宅会社に土地探しを依頼するのはもちろん、自分たちも一緒に土地を探すと、土地の情報にも詳しく慣れます。

土地探しをする際には、どういった立地が良いか、事前によく検討しておきましょう。

土地の調査を行う

土地が決まったら、敷地調査と地盤調査を行います。

敷地調査とは、その土地に建築物を建てることができるか確認することを言います。住宅をはじめ、建築物はどんな土地に、どんな建物でも建てられる訳ではありません。

用途地域といって、エリアごとに建てられる建築物の用途が決められていますし、建築基準法上の道路に敷地が接しているかを確認する必要もあります。こうした敷地調査は、住宅会社に任せましょう。

一点、注意点として、土地を販売する不動産会社が行った敷地調査には要注意です。住宅を建てることができない土地(接道条件を満たさないなど)を、住宅を建てることができるかどうかについて言及せずに土地を売ってしまう業者がまれにいるのです。

今ではほとんどない事例かと思いますが、つい1年ほど前に、知り合いの建築家からそういう事例があったという話を聞きましたので、注意喚起として記載しておきます。

さて、もう一つの調査である地盤調査について。この地盤調査とは、建築物を建てる際に、地盤に十分な強度があるかどうかをチェックする調査のことを言います。

この地盤調査は、土地を購入する前に行うことが可能なら、調査することをおすすめします。

というのも、地盤調査で土地の耐力が不足しているとの判定が出た場合、地盤改良工事という工事が発生します。

この地盤改良工事は、一般的な住宅の規模で、50万〜100万程度の費用がかかることから、当初の予算計画を大きく狂わせる原因にもなります。

土地購入後、建設費がとんでもない金額になってしまった…ということにならないよう、事前に地盤調査を行ったほうが良いでしょう。

住宅ローンの申し込み

いよいよ購入したい土地が決まったら、土地を購入するための資金を準備していきます。この際、現金一括で払える方は中々いませんので、基本的には住宅ローンを用いて購入することになります。

しかし、住宅ローンというものは、一般的に住宅の引き渡し時に実行されるので、その前に必要な土地の購入費や、着工金、中間金などを支払うことができません。

こうしたケースで利用されるのが、住宅の引き渡し前に必要な資金を一時的に建て替えてくれる、つなぎ融資という仕組みです。

つなぎ融資を受けるためには事前審査が必要になりますので、住宅会社と手順をよく話し合っておきましょう。具体的なやり取りは、住宅会社に相談しながら進めていけば大丈夫です。

住宅に関する打ち合わせ

土地が決まったら、本格的に住宅の設計を始めていきます。土地の候補が見つかった段階で、同時に間取りや配置を検討することが多いです。

このとき、要望をより具体的に設計担当者に伝えておくと、スムーズに打ち合わせが進みます。また、プランの根幹に関わる要望や性能、外観などについては、早い段階で伝えておくことが重要です。

見積調整を行う

要望に合わせ、住宅の間取りや仕様が固まってきたら、いよいよ見積もりです。すんなりと希望の予算に納まることが理想ですが、中々そうはいかないことが多いのも事実。

見積が予算をオーバーしてしまった場合、延床面積を小さくしたり、設備のグレードを落としたりしながら、建物金額が予算内に納まるように調整していきます。

見積調整は、辛い作業になることも多いですが、頑張って乗り越えましょう。

請負契約を結ぶ

建物の金額が予算内に収まったら、いよいよ建設会社と請負契約を結びます。

請負契約には、工事請負契約書、見積書、設計図一式をもって契約時の書類とするのが一般的です。

このときに注意してほしいのが、見積調整の際に変更した内容が、きちんと設計図に反映されているかチェックをしておくこと。

工事がはじまると、この契約時の設計図を元に建物は建てられていきます。その際、変更点がきちんと図面に反映されていないと、打ち合わせ内容とは異なった仕様で建てられる可能性があり、トラブルの原因になります。

そういったことがないよう、建設会社も注意して確認しているとは思いますが、念の為、自分でも確認しておくと安心できます。

着工

請負契約を終えたら、ついに着工です!無事工事が終わるよう、地鎮祭を行い、土をいじる工事から、基礎、上棟と、一つずつ建物が組み上がっていく様子は一生の想い出になるでしょう。

まとめ

早足になりましたが、以上が家づくりの流れの概要になります。一度この説明を聞いただけではよくわからないことも多いと思いますし、いきなり全てを把握する必要もありません。

まずは流れをざっと抑えたら、少しずつ情報を集めていきましょうね。

以上、二級建築士のLIDOMAでした。