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- 2021.09.05
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- 2022.07.04
建築士が解説!確認申請書の中身と書き方について
こんにちは、二級建築士のLIDOMAです。
建物を建てたり増築したりするときに必ず必要になる申請書。
そんな確認申請書についてご存知でしょうか?
確認申請書とは
確認申請書とは、簡単にいうと、建物を建てたり増改築を行ったりする際に、建物が建築基準法や地域の条例等に適合しているかどうかを確認するための資料一式のことをいいます。
通常、家を建てる際には確認申請という申請が必要になるのですが、その際にはこの確認申請書と、確認申請図面(案内図、配置図、平面図など)が必要になります。
今回は、この確認申請書の中身と書き方について、説明しようと思います。
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確認申請書 第一面
確認申請書の第一面には、申請者の氏名と設計者の氏名が必要になります。
申請者の氏名とは、主に建築主の氏名になります。
法人の場合は、社名だけではなく、代表の氏名まで記載が必要になりますので、注意しておきましょう。
設計者の欄には、建築士の資格を持つ設計者の名前が必要になります。
確認申請書類一式の内容に責任を持つのは誰か、ということですね。
資格の種類によって、設計できる建築物の構造・規模が変わってきますので、事前によく確認しておきましょう。
※2021年以降、押印は廃止されています
![確認申請書 第一面](http://designyaama.com/wp-content/uploads/2020/07/apprication_01.jpg)
確認申請書 第二面
確認申請書の第二面には、建築主や設計者、施工会社などの詳細な情報を記載する欄になります。
氏名や住所、電話番号といった基本情報はもちろん、設計者に関しては資格の登録番号まで記載する必要があります。
審査では、こちらに記載された情報を元に、確認申請を提出する建築士が、きちんと資格を取得している建築士かどうかチェックを行います。
それでは早速、中身をみていきましょう。
![](http://designyaama.com/wp-content/uploads/2020/08/apprication_02_1.jpg)
建築主について
建築主の氏名、郵便番号、住所、電話番号について記載してください。
電話番号については、固定電話がある場合は固定電話の番号を、ない場合は携帯電話の番号で構いません。
代理者について
本来、確認申請は建築主本人が提出する必要があります。
でも、専門外の建築主がこのような専門的な資料を作るのは、現実的ではありませんよね。
そこで、建築主に変わり確認申請を提出するものとして、代理者を設定します。通常は設計者が代理者になります。この際、建築主が認めた代理者を確認できるように、委任状というものが必要になります。
設計者について
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設計者の資格、氏名、事務所の情報を記載する必要があります。
資格の情報については、建築士免許に記載されている番号にて、内容を確認できます。
資格の種類によって、大臣認定か都道府県認定か変わってきますので、よく確認しておきましょう。
また、設計者の欄には、代表となる設計者、その他の設計者、構造設計者という形に分かれています。
この代表となる設計者の欄には、主に責任を持って意匠設計を担当した設計者の情報を記載します。
その他の設計者については、同じ建築物の設計に関わった建築士の情報を記載していきます。
この欄を記載するのは、ある程度規模が大きい建築物を設計する際に書く必要がある欄ですね。
続いて構造設計者の欄ですが、こちらは建築物の構造設計に関わった、構造設計士の情報について記載していきます。
なお、4号特例のような、構造についての審査を行わない物件については、記載を省くことができます。
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![](http://designyaama.com/wp-content/uploads/2020/08/apprication_02_3.jpg)
工事監理者について
工事監理者とは、工事内容と設計図書に相違がないか、照合・確認する者のことです。
住宅などの規模が小さい物件については、意匠設計者が工事監理者を兼ねる場合が多いです。
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工事施工者について
該当の工事を行う会社について記載します。
建設業の許可番号が必要になりますので、確認しておきましょう。
また、確認申請書を提出する時点でまだ施工者が決まっていない場合は、未定と書くことができます。
構造計算適合性判定の申請について
構造計算適合性判定が必要な物件については、申請状況と、どこの機関に提出しているのかについて記載する必要があります。
建築物エネルギー消費性能確保計画の提出について
省エネ基準適合性判定が必要な場合は、提出状況と、どこの機関に提出しているのかを記載する必要があります。
備考
建築物の名称について記載する欄です。
○○様邸 新築工事、〇〇邸 新築工事、といった書き方をすることが多いです。
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確認申請書 第三面
確認申請書の第三面には、建築物、及びその敷地に関する事項を記載する必要があります。
都市計画区域や防火地域、用途地域などは、市役所の都市計画課などで確認することが出来ます。
必要な場合は、市町村のHPにて事前に確認しておきましょう。
地名地番について
地名地番とは、法務局によって定められた住所のことをいいます。
普段よく使用する住居表示とは異なりますので、注意しておきましょう。
該当敷地の地名地番は、登記簿をみることで確認することが出来ます。
住居表示について
地名地番は、土地一つの区画に対して番号が割り当てられる制度のため、建築予定地の地名地番は
100-1,100-2,100-3,101-1
といった、複雑な番号がつくことがあります。
これでは住所の把握が難しいことから、住所を分かりやすく表示するために始まった制度が、住居表示です。
ただし、新築の場合はまだ住居表示が決まっていない場合も多いので、この欄については空欄にしておいて構いません。
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都市計画区域等について
建物を建てる際には、問題なく建築することができる市街化区域や、特別な許可をもらわないと建てることができない市街化調整区域といった区域などが存在します。
防火地域について
防火地域とは、火災を防止するために特に厳しい建築制限が設定されている地域のことをいいます。
商業地域など、密集地に多く設定されています。
その他の区域、地域、地区又は街区について
法22条区域や、宅地造成等規制区域などに該当する場合は、この欄にその旨を記載します。
法22条区域については、多くの住宅地に設定されていますので、該当するかどうか確認しておきましょう。
道路について
建物が建てられる土地は、最低限、幅員が4m以上の道路に、2m以上接道している必要があります。
そこで、この項目では幅員と接道している長さを記載してください。
なお、建築物の用途や条例によっては、幅員6m以上の道路に接道が必要な場合もあります。
都道府県の条例もよく確認しておきましょう。
敷地面積について
敷地全体の面積をはじめ、用途地域、容積率、建ぺい率といった、土地の面積に関する情報がここに集約されます。
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主要用途について
建築物の主要用途のについて記載します。
また、用途と合わせて区分も記載する必要がありますので、忘れないようにしましょう。
区分については、確認申請書の一番最後のページに記載されていたり、あるいは”建築 主要用途 区分”などで検索すれば、すぐに確認することができます。
工事種別について
新築、増築、改築等の工事種別について記載します。
建築面積について
建築面積と、建ぺい率について記載します。
延床面積について
延床面積と、容積率について記載します。
建築物全体の欄には、合計の面積を記載し、以下の部分には該当する面積を別個記載する必要があります。
カーポートがあれば”自動車車庫等の部分”の欄に、住宅の場合は”住宅の部分”の欄に面積を記載する、という具合です。
建築物の数について
申請を行う建物の数を記載します。通常は1と書きます。
なお、10㎡以内の建築物についてはカウントしません。
建築物の高さ等について
建物の階数や、最高高さなどを記載します。
申請書類によって、単位がmであったりmmであったりしますので、よく確認しましょう。
また、立面図に記載している建物高さと相違ないかも確認が必要です。
許可・認定等について
開発された土地であったり、調整区域で許可を得た場合であったりする場合は、この欄に認定番号を書く必要があります。
工事着手予定年月日について
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工事に着手する予定日について記載しましょう。
ちなみに、着手日については、確認申請の審査期間を考慮した予定日を書く必要があります。
例えば住宅であれば、9月1日に確認申請を提出した場合、質疑補正等も含めると10日程度はみておいた方が良いでしょうから、着手日は10日となる訳です。
また、工事の着工はあくまで確信申請済証が発行されれば着手することができます。よって、工事予定日については余裕を持って記載した方が何かと都合が良いでしょう。
工事完了予定年月日について
工事が完了する予定日について記載します。
この予定日を目安に、完了検査の案内書が申請主(建築主)宛に発送されることが多いです。
特定工程工事終了予定年月日について
中間検査が必要な物件については、この欄に予定期日と、特定工程の内容について記載しましょう。
特定工程の内容は地域によって異なりますので、提出先のHPを確認しておきましょう。
備考について
新築の確認申請の場合は、特に記載する必要はありません。
しかし、計画変更申請の場合は、変更の概要を書く必要があります。
例えば、”最高高さを6.500mから7.000mに変更”といった形で記載します。
確認申請書 第四面
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先程、建物の数についての記載があったかと思いますが、もし2以上の建築物を申請する場合は、以降の書類を建物の数ごとに作成する必要があります。
基本的には1つの建築物を申請することになるかと思いますが、複数ある場合は注意しましょう。
番号について
申請する建物が複数ある場合は、1,2,3といった形で番号を振っていきます。
1つしかない場合は、1と記載すれば問題ありません。
用途について
第三面でも出てきましたが、該当番号の用途について記載しましょう。
工事種別について
こちらも先程記載がありましたが、新築、増築といった、工事種別について記載していきましょう。
構造について
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、構造について記載します。
混構造の場合は、一部○○造の部分に、該当する構造を記載してください。
主要構造部について
主要構造部の耐火性能いついて記載する欄です。
防火地域外の木造など、いずれにも該当しない場合は”その他”にチェックを入れましょう。
建築基準法第21条及び第27条の規定の適用について
建築基準法第21条とは”大規模の建築物の主要構造部等”に関する条文で、第27条は”耐火建築物等としなければならない特殊建築物”についての条文になります。
木造住宅など、特に法文に当てはまらない場合は、”適用を受けない”の欄にチェックを入れましょう。
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建築基準法第61条の規定の適用について
建築基準法第61条は、”防火地域及び準防火地域内の建築物”に関する内容が記載された条文になります。
適用がある場合は該当する箇所にチェックを、防火地域・準防火地域の場合は”適用を受けない”の欄にチェックを入れましょう。
階数について
建物の階数について記載します。
高さについて
建物の高さについて記載します。
建築設備の種類について
建築設備の種類について記載しましょう。主な建築設備は下記の通り。
電気、ガス、給排水、換気設備、し尿浄化(浄化槽のこと)
この中から、該当する設備を記載しておきましょう。
例)オール電化の住宅の場合:電気、給排水、換気設備
確認の特例について
第六条の三にあたる”構造計算適合性判定”や、第六条の四にあたる”建築物の建築に関する確認の特例” など、確認の特例に関する項目がまとまった欄になります。
該当する欄にチェック、及び内容の記載をしておきましょう。
床面積について
各階ごとの床面積を記載しましょう。
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屋根について
屋根材について記載する必要があります。
ガルバリウム鋼鈑やカラーベストなど、何を使用しているのかを記載しましょう。
また、建築物が防火構造等になっている場合(第22条区域など)は、認定番号が必要になります。
忘れずに記載しましょう。
外壁について
外壁について記載する欄です。
防火サイディング貼りなど、使用する外壁の内容を記載しましょう。
屋根材同様、防火構造等に当たる場合は認定番号が必要です。
軒裏について
軒裏について記載する欄です。
サイディングやケイカル板など、使用する材料について記載しましょう。
居室の床の高さについて
地盤面(GL)から居室(FL)までの高さを記載してください。
なお建築基準法では、最下層の居室の床が木造の場合、床の高さは45cm以上にすることと規定されています。
これを下回らないように注意しましょう。
便所の種類について
水洗、くみ取り、のいずれかを記載します。通常は水洗になるかと思います。
確認申請書 第五面
第五面では、先程割り振った建物番号の、階数ごとに記載していきます。
例えば、建築物の数が1つの場合は、番号1の1階に関する書類、2階に関する書類、という形です。
必要に応じて、用紙を複製しておきましょう。
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番号について
建築物の該当番号を記載します。
階について
該当する階について記載します。
3階建てであれば、1階、2階、3階、と計3枚の第五面が必要になります。
柱の小径について
木造の場合は、柱の小径が必要です。複数の種類を使用する場合は、最も小さな小径を記載しましょう。
なお、柱の小径については壁・屋根の仕様、階数、横架材間の垂直距離によって、制限があります。
詳しくは建築基準法施行令 第43条に記載されていますので、この既定値内に収まるようにしましょう。
横架材間の垂直距離について
横架材とは、梁・桁や土台のことをいいます。つまり、横架材間距離とは梁と土台との最短距離のことです。
この距離を元に、柱の小径に問題がないかをチェックします。
横架材間距離は梁のサイズで変わってきますが、ここでは一番距離が長い箇所の数字を記載しましょう。
階の高さについて
階の高さとは、今いる階と直上階との距離になります。
例えば1階の概要について記載する場合は、1階FLと2階FLの距離になります。
2階建ての2階については、直上の階が存在しないため、空欄で構いません。
天井の高さについて
居室の天井高さについて記載します。
天井高さが複数ある場合は、最も天井高さが低い居室の数値を記載しましょう。
なお、建築基準法上、居室の高さは2.1m以上必要になります。
用途別床面積について
用途が複数に分かれる場合は、用途ごとに床面積を記載しましょう。
用途が一つの場合は、階の床面積をそのまま記載すれば大丈夫です。
確認申請書 第六面
第六面については、Exp.jで分離されている部分がある場合に、中身を書いていく必要があります。
木造住宅などは、分離される部分はないかと思いますので、その際は最初の番号のみ”1”と記載し、あとは空欄で構いません。
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最後に
以上、確認申請書の内容についてまとめていきました。
最初こそややこしく感じる確認申請書ですが、何度か提出すればすぐに慣れてくると思います。
ただし、敷地内の用途地域が分かれたり、建物用途が分かれたりすると、記載する内容が複雑化していきますので、間違えないように気をつけましょう。
以上、二級建築士のLIDOMAがお送りしました。