- 2020.06.03
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- 2022.01.16
間取りの表記、これで本当に合ってる!?-意味、用途、英語表記一覧-
初めて間取り図を見たときに、
間取りの表記の意味が分からない…と思ったこと、ありませんか?
間取りを書きたい!と思っている方であれば、
玄関や洋室って、英語表記だとどう書けばいいんだろう…
と悩むこともしばしば。
日常的によく使う、リビングやトイレといった言葉ならまだしも、
サービスルームやパイプスペースといった、
聞き慣れない部屋の使われ方や英語表記は、とても分かりにくいものです。
そこで本記事では、玄関やホール、リビングといったよく見かける間取りの表記から、
サービスルームやパイプスペースといった特殊な間取りの表記まで、
基本的な意味の解説をはじめ、英語表記の方法や、省略される場合はどういう記号で表記されるかまで、細かく解説していきます。
1.住宅の間取りってどういう部屋があるの?-居室、非居室の違い-
それでは早速、間取りの表記をみていきたいのですが、
その前に一つ確認しておくべきことがあります。
実は、住宅に使われる部屋の種類は、建築基準法により、二種類に分けられています。
それは、居室と非居室です。
いきなり居室・非居室と言われても、あまり聞き馴染みのない方も多いと思いますので、
まずは具体例を元に確認してみましょう!
まず居室として挙げられるのは、
リビング、ダイニング、主寝室、子供部屋、洋室、和室
といった部屋になります。
これらの部屋をイメージしてみると、
寛ぐために必要な天井高さがあったり、外から柔らかい光や風が入ってきたり、
ゆっくり過ごせる部屋が当てはまっていますよね。
実は、居室は建築基準法により、人が長期滞在する環境として、
採光・通風・天井高さ等の条件を満たす必要があるのです。
一方、非居室として挙げられるのは、
玄関、廊下、トイレ、洗面脱衣室、浴室(ユニットバス)、収納、納戸
といった、一時的な使用に限られる部屋になります。
これらの部屋は、外から帰ってきてリビングに行くまでの間にしか使わなかったり、
着替えや歯磨きをするときにだけ使ったりと、長時間ゆっくりと過ごすというよりは、
少しの間だけ使用されるイメージですよね。
こういった非居室は天井高や採光通風の制限がありませんので、
例えば階段下の天井高が低いトイレがあったり、全く窓のない洗面脱衣室があったりするのです。
居室と非居室について、イメージは湧いてきましたでしょうか?
それでは早速、居室、非居室毎に部屋の内容についてみていきましょう。
2-1.間取り表記の解説、英語表記-居室編
リビング(英語表記:Living Room 省略記号:L)
住宅で最も長い時間使われる、寛ぐための部屋。
ソファを置いたり、テレビを置いたりする場所になります。
ダイニング(英語表記:Dining Room 省略記号:D)
ダイニングテーブル等が置かれる、食事をするためのスペースになります。
キッチン(英語表記:Kitchen 省略記号:K)
台所のこと。調理をする場所を指します。
主寝室(英語表記:Master Bed Room 省略記号:MBR)
メインとなる寝室。通常では、夫婦の寝室を指すことが多いです。
子供部屋・洋室(英語表記:Bed Room 省略記号:BR)
子供部屋、洋室については、英語表記ではBed Room(ベッドルーム)と一まとめに表記されることが多く、省略記号ではBRと表示されます。
また、単純にRoomとだけ表記されることもあります。
和室(英語表記:Japanese Room,Tatami Room 省略記号:なし)
和室については、英語圏に畳の文化がないため、
Japanese Room(ジャパニーズルーム)、あるいはTatami Room(畳部屋)と記載されることが多いです。
英語圏でも使用される部屋については省略記号のある部屋が多いですが、
和室についてはJapanese Room等、そのままの名称で記載されることが多いです。
2-2.間取り表記の解説、英語表記-非居室編
玄関(英語表記:Entrance 省略記号:Ent)
外から家の中に入るときに、一番最初に通る場所を玄関といいます。
英語表記では、Entranceと表記しますが、Entと省略して書くことが多いです。
ホール(英語表記:Hall 省略記号:なし)
直訳すると入口の広間という意味になります。
住宅においては、玄関から入って靴を脱いで上がる場所、
及びそこから続く廊下の部分をホールとして扱うことが多いです。
廊下(英語表記:Hall,Corridor 省略記号:なし)
部屋と部屋を移動する際に必要な細長いスペースを廊下と言います。
英語表記ではHall or Corridorと記載していますが、
住宅においては廊下部分はHall(ホール)と表記されることが多く、Corridorは集合住宅の共用廊下など、大きめの廊下に使用される用語になります。
廊下部分については何も名称を記載しない図面も見られますね。
トイレ(英語表記:Toilet,WC,Bathroom,Restroom 省略記号:なし)
排泄をする場所のことを言います。
また英語の表記についてですが、日本語ではトイレと言えばトイレの部屋を連想します。
しかし、英語でToiletと記載すると便器そのものを連想されるので、
トイレスペースについてはBathroom、あるいはRestroomと記載されることが多いです。
洗面脱衣室(英語表記:Dressing Room,Powder room,Sanitary 省略記号:DRなど)
洗面器が置いてある場所を洗面所といい、お風呂に入る前に着替える場所を脱衣室と言います。
そして、この洗面所と脱衣所が合体した部屋を洗面脱衣室と呼びます。
洗面所については、この洗面脱衣室とすることが一般的です。
浴室、ユニットバス(英語表記:Bathroom 省略記号:UB)
身体を洗う、お風呂やシャワーがあるスペースのことを言います。
一般的な住宅では、規格化されたユニットバスが使われていることから、
ユニットバス(UB)と表記されることも多いです。
2-3.間取り表記の解説、英語表記-収納系
収納(英語表記:Storage 省略表記:Sto)
比較的小さな収納スペースについては、収納と表記されます。
英語では、Storage、あるいは省略してSto.と書かれることもあります。
納戸(英語表記:Storage 省略表記:Sto)
比較的小さなスペースになる収納に対して、人が入れるような大きさの収納については納戸と呼ばれます。
英語表記は収納と同じくStorageと表記されます。
クローゼット(英語表記:Closet 省略記号:CL)
収納の中でも、衣服の保管に使用される収納スペースをクローゼットと言います。
服を吊すためのパイプハンガー等が設置されています。
ウォークインクローゼット(英語表記:Walk in Closet 省略記号:WIC)
クローゼットの中でも、人が直接入っていける収納スペースのことを言います。
WICと省略して記載されることが多いです。
2-4.間取り表記の解説、英語表記-その他
サービスルーム(英語表記:Service Room 省略記号:SR,S)
大きな納戸や書斎、家事室などといった、建築基準法上の”居室”条件を満たしていない部屋によく使われる名称。
SLDKといったような表記で登場することも多いです。
大きさ的には、2LDKや3LDKなどの数字にあたる”居室”と同じような大きさになることもあるのですが、
一番の違いはサービスルームは非居室であるということです。
建築基準法上、人が長く滞在する”居室”として扱うためには一定の採光や換気を満たす必要があるのですが、
滞在時間の短い納戸や家事室などは居室の条件を満たす必要がないので、非居室としてつくることになります。
パイプスペース(英語表記:Pipe Space 省略記号:PS)
上水や下水、あるいはガス管など、設備で必要になる配管のスペースのことを言います。
マンション等、大きな建物では必ず必要になってくるのですが、
住宅においては、2階にトイレを設置したり、浴室を設置したり、水回りの設備を持ってきた場合に必要になってきます。
2-5.最後に
以上、住宅の間取りでよく使われる記号の表記について解説していきましたが、いかがだったでしょうか?
本記事を元に間取り図を照らし合わせて理解が深まれば嬉しいです!
以上、二級建築士のLIDOMAがお送りしました。