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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

ライフスタイルの変化に合わせることのできる子供部屋

子供部屋の間取りは、長い目で見ることが大事!-リビングを基準に、成長に合わせて変化できる間取りをつくろう-

こんにちは、二級建築士のLIDOMAです。

皆さん、子供部屋の間取りってどういうイメージを持たれていますか?ひと昔前であれば、子供部屋ってLDKとはちょっと離れた位置に完全な個室で作られることが多かったですよね。

でも、個室の子供部屋が使われる期間って、実際には小学校高学年から高校ぐらいまでの6年〜8年ぐらいで、子供が一人暮らしを始めたり結婚してから出て行ったり、子供が家を出て行ってからの子供部屋の使い方をヒアリングしてみると、物置部屋として使われていることがほとんどなのです。

それに対して、建主さんが家を建ててからそこで生活する期間はおよそ30年以上と言われています。30年以上もの期間を過ごす場所なのに、6,7年しか使われない部屋を大きく取る間取りはちょっと勿体無い気もしますよね。

なので最近では、子供部屋は必要最低限の大きさで作り、将来的に間仕切ることができる間取りが人気になってきています。そうすることで、子供の成長に合わせた、多様なライフスタイルに対応できる使い方ができるのです!

今までの子供部屋の間取りと、ライフスタイルに合わせた使い方のできる間取りの違い

それでは早速、子供部屋の間取りの作り方について解説していこうと思います。まずは今までの子供部屋の間取りを知った上で、ライフスタイルに合わせた使い方というものがどういった間取りになるのかを、総二階建ての2階に子供部屋が配置されたプランを例に、順番に説明していきます。

今までの子供部屋の間取り

まずは今までの子供部屋に多くあったパターンの間取りをみていきましょう。下に参考間取りを記載しました。

子供部屋の間取り-個室重視型
子供部屋の間取り-個室重視型

このように、プライベート性の高い6帖程度の大きさに収納がつく、という間取りがひと昔前までは一般的でした。今でもマンションや建売住宅では、こういった子供部屋の間取りをよく見かけますね。

6帖あれば自身の部屋でくつろぐのに必要な広さは確保されていますし、1帖以上の収納スペースがあれば子供部屋の収納量としては十分でしょう。

一方で、こうした間取りは決して悪い間取りではないのですが、子供がその部屋を使わない期間をどう活用するかについては、よく考えておく必要があります。

というのも、ここまではっきりと個室化されていますと、個室として使用する以外に使い道がないのです。序文でも述べましたように、個室として使用される期間は大体小学校高学年から高校までの6年〜8年、多くても大学4年間を追加した12年程度が平均的な使用期間です。

じゃあその他の期間はどういう風に使われているかというと、子供が帰省したときの宿泊部屋、あるいは倉庫として扱われているのが現状です。住宅を計画した際に十分な家の広さを確保できるゆとりがあればそれでも全然問題ないのですが、敷地の大きさやコスト面等、中々そういう訳にはいかないことの方が多いですよね。

ライフスタイルに合わせた使い方のできる子供部屋の間取り

一方で、こちらがライフスタイルに合わせて使い方を変えられる間取りになります。

子供部屋の間取り-ライフスタイル追従型
子供部屋の間取り-ライフスタイル追従型

子供部屋の広さ最低限の4.5帖とし、子供部屋間の間仕切りは将来間仕切りとしているのが特徴です。

4.5帖という広さについて

4.5帖という大きさは、この間取り図からも分かるように決して広い大きさではありません。ベッドを置いて、後は机を置いたら一杯一杯かなという広さです。

しかし、この最低限の大きさで作るというやり方は、子供が自室に篭ってしまうという問題を解消する効果があると言われております。というのも、4.5帖という広さは自室で長い時間過ごすにはそこまで快適な広さではありませんので、子供たちは自然とリビングや共有スペースに来るようになります。

このプランではそういった効果を見込み、ホールの広さをちょっと大きめに取り机を配置しています。

こうすることで、吹き抜けを通じてLDKと繋がったホール空間で家族の気配を感じながら勉強や読書ができますし、親も子供の気配を感じながら過ごすことができます。子供部屋自体も机を配置する必要がなくなりますので、4.5帖でも快適に過ごしやすくなります。

コンパクトの家を建てる上で重要なことの一つに、用途が固定された部屋を出来るだけ小さくし、共有可能なスペースを広げていくということが挙げられます。そうすることで、家も広く見えるようになるというメリットもあります。

ちなみに、子供部屋を4.5帖で作る場合は、別に収納を準備することが必要です。収納がないと、4.5帖の部屋にはタンス等をおくスペースがほとんどないので、部屋に収納が取れなくなってしまいます。

将来間仕切りについて

また将来間仕切りについてですが、将来間仕切りというのは住み始めには間仕切りを設置せず、将来仕切りたくなったときに仕切るという方法になります。部屋を間仕切る方法は壁を作ったりパーティションで区切ったり、あるいは家具で仕切ったりと様々な方法がありますが、リフォーム工事として壁を作ってしまうか、結局間仕切らないまま使用し続けるというのが多くあるパターンのようです。

また、将来間仕切りとするときにぜひお勧めしたいのが、子供が小さい頃に、間仕切られていない子供部屋を寝室とする使い方です。

子供がまだ小さい頃って一緒に寝ますよね?そのときに、間仕切られていない子供部屋を寝室として使うと、9帖(4.5帖 4.5帖)の広々とした部屋になりますので、ゆったりと使うことができる寝室へと早変わりするのです。
また、お子様が一人の場合は主寝室として計画していた部屋を子供部屋にするというのも一つの手になります。

子供部屋の作り方まとめ

子供部屋の作り方、如何だったでしょうか?それでは最後に子供部屋の作り方をまとめていきましょう。

①6帖で完全個室として計画するのも良いが、ライフスタイルの変化を考えたときには最低限の大きさで作り、余ったスペースを他の部分に持ってきた方が住みやすくなる。

②子供部屋は最初から間仕切ってしまうのではなく、将来間仕切りとしてしまうのがお勧め!そうすることで、ライフスタイルの変化にも対応できる間取りとして使用できる。

如何でしたか?使用期間が限られる子供部屋は、上手に利用することで快適な間取りへと変化していきます。ぜひ本記事を参考に検討されてみてくださいね。

LIDOMAでした。