- 2022.01.29
【間取りの教室】平屋の間取り31坪4LDK四角タイプ | 注意点多し!?
こんにちは、LIDOMAです。
今回の間取りの教室シリーズでは、間取りのご相談をいただきました、
31坪4LDKの平屋(四角タイプ)について解説していこうと思います!
間取りを総括すると、家事動線は使いやすいと思う一方で、
トイレやシューズインクロークの動線など、
来客時の動線はもう少し検討した方が良いと感じました。
その理由についてもお話していこうと思います。
間取りのタイプ、坪数、形状を確認
まずは、ざっと間取りの全体像を確認しておきましょう。
今回のプランは四角いタイプの平屋建てで、4LDKの間取りですね。
大きさは、31坪程度になります。
ただし、子供部屋(Room1とRoom2)については建築時には間仕切りを作らず、
数年後に改めて間仕切りを設置する、将来間仕切りにて計画されています。
玄関・ホール・シューズインクロークは動線と視線に気をつける
それでは、早速間取りの中身をみていきましょう!
今回のプランでは、玄関周りはシューズインクローク付きの玄関になります。
シューズインクロークタイプは、最近のトレンドの一つでもあり、
壁付けの玄関収納と比べて収納量が多く、使い勝手も良いことから、
面積さえ問題なければ、ぜひ取り入れていただきたい収納方法になります。
家族が使う動線と来客の動線の違いを意識する
しかし、今回のシューズインクロークは、少し気になる部分があります。
それは、来客時の動線(視線)。
まず、住人の動線を見てみましょう。
このときは、特に問題はなさそうですね。
一方、来客時の動線はどうでしょうか。
そうです、このときの動線が問題なんです。
なぜなら、この間取りってお客さんがLDKに入るまでに、
シューズインクロークの中身が丸見えになっちゃいますよね。
靴もレイアウトの一つとして考える場合は別ですが、
通常、シューズインクロークの中身をキレイに保つのはけっこう大変です…
なので、シューズインクロークを設置する場合は、
来客動線からはできるだけ見えない位置に設置した方が良いでしょう。
今回のプランであれば、こんな感じですね。
どうでしょうか?だいぶ動線がすっきりしたと思いませんか?
このように、左右反転するだけで使い心地は全く変わってきます。
来客動線(青線)はスムーズにLDKに移動できますし、住人の動線(赤線)も少し遠くはなりますが、
特に負担になるような長さでもないですよね。
また、玄関とシューズインクロークの間に引き戸を設置することで、
より玄関周りをすっきりと見せることができます。
水回り動線の使い心地=家事動線の使い心地
続いて、水回りの動線をみていきましょう。
今回のプランで特徴的なのは、洗面所と脱衣所が分かれていることですね。
世の中の多くの間取りは、洗面所と脱衣所が合体しています。
でもこれって、実は結構使いにくいですよね??
例えば、年頃の子供がお風呂に入っているときは、洗面所を使うことが出来ませんし、
来客時にはお客さんが手を洗うために洗面所まで入ることがあるので、
常にキレイにしておく必要があります。
しかし、洗面所と脱衣所を分離しておけば、こういった問題は解決します。
脱衣所があれば、誰がお風呂に入っていようと気兼ねなく洗面所を使うことができますし、
来客時にも生活感が出やすい洗濯機や、脱ぎっぱなしの着替えなどを見せなくて済みます。
また、この間取りではキッチンから洗面所へアクセスしやすいのも魅力ですね。
パントリーを通ってから洗面所にアクセスできることで(赤線)、
脱衣所にいって洗濯機を回したり、お風呂を洗ったり、
あるいは来客があった際に玄関まですぐに行くこともできます。
もしパントリーと洗面所を行き来する扉がなければ、
LDKをぐるっと回って玄関に行ったり、洗面所に行ったりと、遠回りになってしまいますよね。
実際には大したことない距離かもしれませんが、
365日、毎日同じルートを使っていると、少しの遠回りが段々ストレスに感じてきます。
こういうちょっとした動線の改善は、とても大事。
水回りの動線がいい間取りは、すなわち家事動線に優れた間取りになるのです。
LDKと和室の関係性は、キッチンから和室が見えることが大事
続いて、LDK周りについてみていきましょう。
今回の間取りでは、LDKの長手に和室が繋がる配置で計画されています。
このパターンのメリットは、LDKとの関係性が強いことです。
子育て中であれば、子供を和室で遊ばせておけば、
キッチンで料理をしながらでも時折様子を覗くことができます。
また、和室とリビング・ダイニングとの距離が近いので、
お互いのコミュニケーションがとりやすくなります。
LDKと和室が繋がった間取りには、I型のタイプが多いのですが、
I型タイプはプライバシーが確保しやすい一方で、LDKとのコミュニケーションは取りにくいんですよね。
LDK沿いに和室が欲しい場合は、
・部屋を独立させたいか
・リビングやダイニングの一部として活用したいか
という点で、関係性を考えると良いかもしれません。
トイレはお客さんも使う場所なので、動線には気をつけよう
次に、トイレの位置について。
ここは、個人的に動線がちょっと気になるな、と思いました。
子供部屋や寝室からとても近い位置に配置されているので、
日常生活ではとても使いやすい位置であると思います。
しかし一方で、来客があった場合はどうでしょうか?
リビング、ダイニング、あるいは和室からトイレに行くと思いますが、
問題はその際に見える光景です。
トイレから戻ってくる際に、キッチンの状態がめちゃくちゃ目立つんですよね。
もちろん、常にキッチンはキレイにしているという方は、問題ありません。
しかし、キッチンは散らかってることも多いから、あまり見せたくないという方は結構多いんですよね。
そういった方にとっては、この動線はちょっと問題があるかもしれません。
今回の間取りでは、玄関・水回りにゆとりがあるので、
トイレをそちらに移動させるのも良いかもしれませんね。
最後に
以上、今回は平屋の間取り31坪4LDK四角タイプについて解説していきました。
今後も事例を増やしていきますので、よろしければまた見てくださいね!
以上、二級建築士のLIDOMAでした。