- 2020.09.10
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- 2021.06.19
建売住宅の設計士が解説!後悔しない建売住宅の5つのチェックポイントとは
皆さんこんにちは。建売住宅の設計も担当している二級建築士のDesign Yaamaです。
一昔前は建売住宅ってあまり意識することがなかったのですが、
最近は質の良いものやデザイン性が高いものも増えてきており、
どんどん需要が増していますね。
しかし、色々な話を聞きはするけど、
周りに建売住宅を買った人をあまり見かけないので、
イマイチ馴染みがありませんよね。
特に、一つずつ中身を打ち合わせていく注文住宅と違い、
建売住宅は既に出来たものを買うことになります。
そうすると、いざ買おうと決心したときに、
どこをチェックしておけば良いのか分からず、
本当にこの家を買って良いのだろうか…と不安になりますよね。
最悪、買う前にちゃんとチェックしておけば良かった…なんて後悔することも。
そこで本記事では、今までに数十棟以上、建売住宅を設計してきた筆者が、
建売住宅を購入するときにどこをチェックしておけば良いのかについて、
後悔しないためのチェックポイントをまとめました。
購入を考えているお気に入りの建売住宅が見つかったら、
ぜひ本記事を読みながら一つずつチェックしてみてください。
1.チェックポイントの前に…
まずはじめに一言お伝えしておきます。
以下の本記事で述べられていることを見学する物件全てでチェックしようとすると、
かなりの時間がかかってしまいます。
気になる物件はいくつもあるのに、1物件ごとにこんなにチェックしろなんて無理だ!
って思いますよね。
もちろん、最初の内覧でここに書いてある後悔しないためのチェックポイントを全て網羅する必要はありません。
建売住宅は、たくさんの物件を見学し、
会社ごとにどういう特徴があるのかを知った上で、
最終的に自分たちにベストだと思う家を選ぶことが大切です。
ですから、最初の内覧ではさらっと見学するぐらいの気持ちで訪れ、
この家欲しいなぁと思える物件が見つかったときに、
再度内覧を希望し、このチェックポイントに書かれている項目を確認していきましょう。
私も、建売住宅を購入していただいたお客様の声を営業から色々と聞くのですが、
そうしたお客様の声としてよく挙がってくるのが、
・見学したときから他の建売住宅とは違うと思った
・自分たちが欲しいのはこれだって思えた
という内容のご感想です。
何が言いたいかというと、自分たちに合う物件だ!
と思えたときは、訪れたときにびびっとくるものなのです。
ですから、まずは多くの建売住宅を見学し、びびっときた物件が見つかったときに、
後悔しないための以下のチェックポイントを確認していきましょう。
2.後悔しないための5つのチェックポイント
それでは早速中身をみてみましょう。
中身を内覧する際のチェックポイントを、大きく5つに分けて解説していきます。
2-1.玄関ドアは、リモコン式かカード式かの確認をしておこう
営業マンに玄関ドアを開けてもらい、玄関で靴を脱いでさぁ中の見学へ…
と行きたいところですが、ちょっと待った!!
この玄関ドア、建売住宅を見学する際に意外と見落としがちなチェックポイントです。
特に、今住んでいる家が賃貸の方は要注意。
あまり馴染みがないかもしれませんが、
最近の玄関ドアは車のキーのように、リモコン式タイプのものが主流となっています。
つまり、わざわざ鍵を鍵穴に入れて回すというようなことをしなくても、
家の前でリモコンをピッと押したり、あるいはカードを玄関にかざしたりすることで、
ロックを解除することができるのです。
かくいう私も、実家はマンションだし、実家を出てからはずっとアパート暮らしだったので、
初めてリモコン式タイプの玄関ドアを見たときは驚いたのをよく覚えています。
それはさておき、この玄関ドア、一体どこをチェックすれば良いのでしょうか?
実は、このリモコン式やカード式といったタッチレス機能は、
メーカーやグレードによって、キーの種類や使い方が異なってくるのです。
特に、グレードが違うとリモコンが使えないものも。
2020年現在、リモコン非対応の玄関ドアは、後からリモコンを設置することはできません。
もしリモコンが絶対欲しいという場合、
玄関ドアの取り替えという、大掛かりな工事になってしまいます…
リモコンでもカードでも、どっちでも良いよ!という方は特に気にする必要はありませんが、
憧れの一軒家はリモコンタイプの玄関ドアが良い、という方は、
後悔しないためにもよく確認しておきましょう。
2-2.基本的な内・外部仕様についてのチェックポイント
住宅は、実にいろいろな素材、仕様から作られています。
その全てを確認することは困難ですが、
最低限、以下のチェックポイントは確認しておくと良いでしょう。
一般的な会社であれば、仕様を説明する資料を作成しているはずなので、
そちらを元に下記内容の中で気になる点を聞いてみる、ぐらいの感覚でOKです。
①床の仕様
フローリングがどういった仕様で作られているのかを確認しておきましょう。
無垢なのか、それともシート(柄をプリントしたもの)なのか。
また、そのメンテナンス方法は?
無垢材を使っている場合、その素材についての説明も聞いておきましょう。
例えば、フローリングにブラックチェリーを使用している場合。
ブラックチェリーはとても日焼けしやすいので、日当たりの良い場所に家具やラグを設置していると、
日焼けしている場所としていない場所の色味がくっきりと出てくるぐらい差が出てきてしまいます。
後からなんてこった…と後悔しないためにも、床材の特徴はよく聞いておきましょう。
②内壁の仕様
内部の壁とひとえに言っても、その種類は色々なものが存在します。
多くの住宅で使われているビニルクロスという素材を使っているのか、それとも石膏ボードにペンキで塗装しているのか、あるいは漆喰等の塗り壁なのか。
異なる壁材ごとに、それぞれ適した掃除の仕方や、メンテナンス方法がありますので、仕様含め内容を確認しておきましょう。
特に、漆喰壁や左官壁の場合、汚れがつくと中々落ちないことも…
素材のメリット、デメリットを知ることが重要ですよ!
③外壁の仕様
住宅で使われる外壁材には、大きく分けて次の3つの種類があります。
・窯業系サイディング
・金属サイディング
・塗り壁
建売住宅で一番多く使われる外壁材は、①の窯業サイディングでしょう。
窯業系サイディングとは、簡単に言うとセメントを使った外壁材のことです。
安価で多様なデザインを作ることができるので、建売住宅では多用されますが、
その性能はグレードによって大きく分かれています。
性能を知る上で一つの目安となるのが、窯業系サイディングの厚みです。
サイディングの厚みで最も多く使われているのは16mmになるのですが、
より安価で作る場合は14mmのものが使われます。
厚みが薄くなる分、どうしても性能は落ちてしまいますので、
後から後悔しないためにもしっかりとチェックしておきましょう!
④建具の仕様
建具(内部の扉、引き戸)については、まず基本的な確認事項として、
各部屋の扉・引き戸を動かした際、固かったり異音がしたりしないかをチェックしておきましょう。
鍵がちゃんと掛かるかの確認も、忘れがちなので最終確認の際にはしっかりとチェックを!
⑤住設の仕様
住設とは、住宅設備のことを省略した言い方になり、
具体的にはキッチン・ユニットバス・洗面化粧台・トイレが挙げられます。
この住設は、建設会社で建売住宅ごとにメーカーや仕様が異なっていますので、
他所で一度聞いたから大丈夫と安心せずに、購入を検討している物件についてはよく確認をしておきましょう。
扉パネルのデザインに力を入れていたり、内部にホーローを使用していたり、特殊なコンロを使用していたり、
メーカーごとにそれぞれの強みが存在します。
自分にグッとくる設備を取り入れている会社の家を選ぶのも、一つの方法です。
2-3.照明器具、スイッチ、コンセントの位置のチェックを忘れずに
次に照明器具とスイッチ・コンセントについてです。
こちらはあえて、先ほどの内・外部チェックポイントとは章を分けることにしました。
というのも、照明器具・スイッチ・コンセント、
とりわけスイッチ・コンセントは、
生活の利便性という面でとても重要な要因になるからです。
実際、注文住宅においても
“注文住宅で失敗したことランキング”
で常に上位に入ってくる項目です。
しかし注文住宅と違い、建売住宅のメリットは
なんといっても実際に内部を体験し確認できることがポイントです。
これは本当に大きなメリットですよ!
・ここにはキッチン収納を置きたいな
・ベッドはこの辺かな
というように、具体的な生活をイメージしながら確認していきましょう。
また、スイッチに関しては、晴れの日のお昼であっても、
必ず各部屋ごとに照明のオンオフを確認し、
生活する上で押しづらい箇所がないか、
自分の生活スタイルと照らし合わせてみましょう。
コンセントについても同様です。
ただ、スイッチと違い、コンセントはパッとその部屋についている箇所をみただけでは、
本当にその位置で問題ないか判断するのが難しいのです。
そこでオススメなのが、電気図という図面をもらうこと。
電気図とは、照明器具・スイッチ・コンセントが、
間取りのどの位置に設置されているのかを確認するための図面になります。
住宅会社によっては必ずしももらえる図面ではないかもしれませんが、
もし電気図をもらえた場合は、自分の家に帰った後、
その図面に自分が置きたい家具を書き込んでいきましょう。
そうすることで、コンセントの位置に問題がないか確認することができます。
電気図の活用の仕方は、こちらの記事にて詳しく記載しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
2-4.中身だけじゃない!敷地周辺の環境も要チェック
中身を一通り確認し、よし、問題ないぞ!となったら、いよいよ最後は外回り。
お庭の作り方はどうか?外部水栓は設置されているか?など、
家の外回りについても確認をしておきましょう。
敷地周辺の雰囲気も大事なポイントです。
もし可能であれば、平日と休日、朝方と夕方・夜など、
生活パターンが異なるタイミングで何度かその場所を訪れてみるのがオススメ。
どういった方が住んでいるのか、
活気のある雰囲気か、あるいは落ち着いた雰囲気なのか。
何度か訪れることでその敷地の特性が見えてくるでしょう。
更には、近くのスーパーやコンビニなど、
日常的によく使うであろうお店を訪れておくと、よりGoodです。
2-5.郵便ポストは設置されていますか?
建売住宅では、予め郵便ポストが設置されているものもあれば、
施主の好みによって判断が分かれるので、
最初は設置していないという物件もあります。
ですから購入候補の物件に関しては、
郵便ポストがついているのかどうかを確認しておきましょう。
もし設置されていない場合は、
設置の費用負担が売主負担なのか買主負担なのか、聞いてみましょう。
売主負担であれば、販売会社がポストを設置し、
買主負担であれば購入者であるあなたが費用を払う必要があります。
もし買主負担になっている場合、購入したい物件であれば、
売主負担で設置をお願いするのも一つのテクニックです。
“この物件、すごい気に入ってるんですが、
あとは郵便ポストが設置されていれば完璧なんですけどねー。”
と言ってみましょう。
まだ他に購入希望のお客様がついていない物件の場合、
郵便ポスト分、値引きしてくれる場合もありますよ。
3.まとめ
以上、建売住宅の購入時に確認しておいた方が良いチェックポイントを解説してきましたが、如何だったでしょうか?
一度に全ての内容を理解するのは難しいと思いますので、これらのポイントを気にかけながら、いろいろな物件を見学してみましょう。
きっと後悔のない、あなたに合った素敵な住宅が見つかるはずです!
以上、二級建築士のDESIGN yaamaがお送りいたしました。