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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

床の明暗イメージ

新築のスイッチ・コンセントの位置を確認する前に間取り図に家具を描くと良い理由

こんにちは、二級建築士のLIDOMAです。

新築の家づくり失敗あるあるでよく取り上げられるのが、スイッチ・コンセントの位置です。

通常、新築のスイッチ・コンセントの位置は、電気図や配線図といった図面を元に打ち合わせを行なっていきます。

しかし、スイッチ・コンセントの位置は、住む人によって使い方が大きく異なってきますので、作成された電気図や配線図は、必ずしもあなたに最適な位置になっているとは限りません。

それに、今まで何気なく使っていたコンセントやスイッチについて、いきなりこの場所と数で良いのか確認を!と言われても、一体どこをどう気を付ければ良いのか、よくわかりませんよね…。

確かにスイッチやコンセントについては住む人によって快適な位置、数は異なっては来るのですが、一方で、この位置にスイッチがあると使いにくい・ここにコンセントがあると便利といったような、スイッチ・コンセント計画を考える上で押さえておくべきポイントは存在します。

そこで本記事では、スイッチ・コンセントのうち、コンセント計画の考え方と間取り図の確認の仕方をメインに解説していこうと思います。

新築のスイッチ・コンセントの位置を確認する前に間取り図に家具を描こう

早速本題に入っていきますが、新築のスイッチとコンセントの位置をチェックしていくときに私がいつもお勧めしている方法があります。

それは、あらかじめ間取り図(電気図・配線図)の方に、置きたい家具やモノを記載し、その場所でどういう行為をしたいのかを書き込むことです。

例えば、家具等を何も置かないままの下記の間取り図をみて、”さぁスイッチとコンセントの場所を確認してみてください”と言われたら、すぐに必要な場所を想定することはできるでしょうか?

33坪4LDK_1Fの家具なし間取り
33坪4LDK_1Fの家具なし間取り
33坪4LDK_2Fの家具なし間取り
33坪4LDK_2Fの家具なし間取り

スイッチは、生活動線をしたり扉のすぐ近くに配置したりすることが多いのでまだ多少は確認できるかもしれませんが、コンセントは家具を置かないとイメージするのが中々難しいのではないでしょうか?

家具のことを考えずにコンセントを配置して家を建ててみたら、後からコンセントがある場所にタンス等の家具を置きたくなった、というのはよく聞く話です。

次に、上記の間取りに家具を配置したものをみてみましょう。

33坪4LDK_1Fの家具有り間取り
33坪4LDK_1Fの家具有り間取り
33坪4LDK_2Fの家具有り間取り
33坪4LDK_2Fの家具有り間取り

どうです?テレビコンセントの位置はこの辺に来そうだっていう位置が想定できたり、個室についてもこの辺にスイッチやコンセントがあれば生活しやすいそうだな、という雰囲気が先ほどの家具なし図面よりもイメージしやすくなってきませんか?

このように、間取り図に家具を描くだけでスイッチ・コンセントの計画はかなり計画しやすくなるのです。

また、その場所でどういった行為をしたいのかを間取り図に書いておくのもポイントです。少し具体例を挙げてみますね。

  • いつもリビングでスマホを充電するから、コンセントがソファの近くに欲しい
  • ベットに寝っ転がる位置でスマホを充電したいからベッドの枕に近い位置にコンセントが欲しい
  • 寝るときにそのまま部屋の電気を消したいので、ベッドのすぐ近くにスイッチが欲しい

こういった具合に、その場所でどういった行為をするのかを考え始めると、間取り図上のどこにスイッチ・コンセントが必要になるのかイメージが湧いてきませんか?

ぜひ、スイッチ・コンセントの位置を確認する前に間取り図へ家具とそこでしたい行為について書いてみてください!

スイッチの位置は、照明の種類と一緒に間取り図への配置を確認しよう

スイッチの位置がここで良いのかどうかを確認するときに大事なのは、間取り図を見ながら自分がどういう生活を行うのか強くイメージすることです。

例えば、玄関ドアを開けたらまずは玄関・ホールの照明をつけるスイッチがすぐ近くに欲しいですよね?そして明るい玄関で靴を脱いだ後、ホールを通ってそのままリビングへ行くとしたら、玄関・ホールの照明を消すスイッチがリビングへ入る扉のすぐ近くにも欲しくありませんか?

そうすれば、玄関ドアを開けてからリビングに入るまでに、スムーズに照明スイッチのオンオフを行うことができるので、とても便利ですよね。

更に、どんな種類の照明が付いているのか確認することも重要になります。

例えば先ほどの玄関の場合、使い勝手をもっと便利にする方法があります。それは玄関・ホールの照明を人感センサー付きの照明器具にすることです。

人感センサーとは、人が照明器具の近くを通ると自動で照明のスイッチをオンにし、一定時間が経過するとオフにしてくれる機能のことをいい、玄関・ホールやトイレなどによく使われます。

この人感センサーは、公共の建物やショッピングビルのトイレ等でよく使われていますので、どういったものかなんとなく分かる方は多いと思いますが、この人感センサー付きの照明器具を住宅にも導入すると、とても便利なのです!

人感センサーを設置する場所に向いているのは、その場所の使用が一時的な部屋になります。玄関・ホールは移動する際にしか使用しませんし、トイレもそこまで長時間はいませんよね。

逆に、長く滞在するリビングや書斎等について、一定時間経つとスイッチがオフになってしまうという性質上、人感センサーは向きません。

こうした人感センサーが付いていれば、オンオフができるスイッチが1箇所あれば問題ありませんので、先ほどの例でいえばリビング前の扉のスイッチは不要になりますね。

このように、間取り図のスイッチの位置を確認する際には、どういった照明がついているのかを一緒に確認しておきましょう。

間取りの中でも子供部屋・寝室のスイッチは、照明器具の種類に応じて設置場所に変化を

間取りの中でも子供部屋や寝室などの個室については、スイッチを計画する上でよく気をつけておく必要があります。

それは、照明器具をシーリングライトにするかダウンライトにするかということです。まずはその二つの種類について、どういった違いがあるのかを見ていきましょう。

シーリングライトとは、天井に取り付ける大きめの照明のことを言います。

このシーリングライトのメリットはなんと言っても、リモコンでオンオフができるということでしょう。リモコンでオンオフができるということは、就寝前にベッドに入った状態で照明のスイッチをオンオフできるということです。

ちょっとしたことですが、さぁ寝ようと思ったときにドアのところまで照明スイッチを消しに行く作業って、地味に辛いんですよね…でも、リモコンがあればそういった煩わしさもありません。

続いてダウンライトについてですが、ダウンライトはシーリングライトと同じく天井に取り付けるのですが、器具が直径10cm程度の小さい照明になります。この小さな照明をいくつか配置することで部屋の明るさを取り込むのです。

ダウンライトのメリットはなんといっても部屋がおしゃれになることですね。シーリングライトって、リモコンを使うことができるメリットはあるのですが、一方でボコっとした大きな照明器具が天井に付いてしまうので、見た目がどうしても気になってしまいます。

でもダウンライトならそんな心配は不要!すっきりとしたお部屋になりますので、おしゃれでインテリアにもこった個室を作ることができるのです。

もちろん、ダウンライトにもデメリットはあります。それは、リモコンでオンオフが出来ないこと、そして直接照明器具を見ると眩しいことです。

LDKにいるときなど、椅子や床に座っている分にはダウンライトの眩しさはあまり気にならないのですが、これがベッドに入り上を向くと、非常に眩しくなってしまうのです。

なので、個室にダウンライトを設置する場合は、ベッドの頭上に近い位置にダウンライトを配置しないことが重要となってきます。

まとめ

以上、スイッチ・コンセント計画のうち、スイッチの計画をメインに解説してきました。最後に重要な点をまとめておきます。

①家具やその場所でやりたいことを図面に記載する
②スイッチの位置は、照明の種類と一緒に考えること

何かと後からこうしておけば良かったとなりがちなスイッチの配置、ぜひこの記事を参考にしながらじっくりと検討してみてくださいね。

以上、LIDOMAでした。