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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

間取りとは何か?良い間取り、悪い間取りは何を基準に判断するべきか?

こんにちは、二級建築士のLIDOMAです。

突然ですが、間取りとは何か?間取り図平面図との違いは?
と問われて、さっと答えられるでしょうか?

私も、いきなりこう質問されたらすっと分かりやすく答えられるか、ちょっと自身がありません…
というのも、間取りという用語は使われる範囲がとても広い言葉なんです。

そこで本記事は、間取りとは何か?間取り図と平面図は、間取りと何が違うのか?
について解説していきたいと思います。

間取りという言葉について

まずは、間取りという言葉について確認していきましょう。
間取りとは、一言で言えば、部屋数、種類を簡単に表した言葉になります。

例えば、不動産屋さんに行って物件概要を見たり、
あるいは賃貸物件検索サイトで部屋探しをするときに、
3DKや4LDKって文字、よく見かけますよね?

実は、この数字はアルファベットは部屋の数や種類を簡単に伝えるための記号になっているんです。

まず、3や4という数字についてですが、この数字は居室の数を表しています。
居室の意味については、詳しく書くと長くなってしまうので、気になる方は下記記事をご覧ください。

居室の数え方の例としては、夫婦の寝室 + 子供部屋が2つという組み合わせであれば“3”になり、
夫婦の寝室 + 子供部屋2つ + 和室という組み合わせや、夫の部屋、妻の部屋、長男の部屋、長女の部屋といった組み合わせの場合は、“4”と表記されます。

次にLDKというアルファベットについてですが、こちらはそれぞれ
L:リビング
D:ダイニング
K:キッチン
の省略記号になっています。

つまり、LDKと表記されていればリビング・ダイニング・キッチンがまとまって配置されており、DKと表記されていればリビングがない(くつろぐための広い部屋がなく、居室は個室のみ)という訳ですね。

ちなみに間取りという言葉の使い方としては、

あなた:このお家の間取りはどうなっていますか?
不動産会社:このお家は、3LDKとなっております。

というような会話で使われることが多いです。

ただ、間取りを聞いて3LDKと言われても、部屋数の雰囲気はなんとなく掴めるけど、
部屋と部屋の位置関係だったり、各部屋の大きさまではわからないですよね。

そこで登場するのが、間取り図になります。
次の章で内容を確認していきましょう。

間取り図とは

間取り図とは、先ほどの間取りを図に示したものになります。

言葉で表すよりも、どんなものを間取りというのか目で見た方が早いので、
まずは間取り図の事例を見てみましょう。

33坪4LDK_1Fの家具有り間取り
参考間取り図-1F

上のような図が、いわゆる間取り図というものです!

この間取り図については、見たことある方も多いかと思います。
ポストの中にこの間取り図が書かれたチラシがよく入っていますよね。

この間取り図があることで、間取りという言葉だけでは表すことができない、
部屋の配置や関係性、大きさなどを確認することができるのです。

ちなみに、間取り図のことも含めて間取りといい場合も多いです。

例えば、
あなた:こちらのお部屋の間取り(図)をみせてもらってもよろしいでしょうか?
不動産会社:かしこまりました。こちらが間取り(図)になります。

といった具合で使われる言葉になります。

間取りと平面図は何が違う?

間取りと間取り図の違いについては把握できたかと思いますが、最後に登場するのが平面図になります。

間取り図と平面図は、同じような意味で使われることも多いのですが、厳密には役割が異なります

それでは最後に、間取り(図)と平面図の違いについてみていきましょう。

平面図とは、ざっくりと言えば、部屋と部屋の配置を示す間取り図に、
更に寸法等を加えて詳しい図にしたもののことを言います。

こちらもまずは図を見た方がわかりやすいかと思いますので、早速平面図をみてみましょう。

参考-平面図の部分切り取り

こちらは、平面図の一部を切り取ったものになります。

間取り図と見比べてみると、なんだか詳しそうな図になっていると思いませんか?

平面図では、間取りの大きさを示す寸法を始め、建具という扉がどういったものを使っているか、窓がどういった仕様になっているかなど、間取り図に比べてより詳しく書かれています

とはいうものの、平面図は必ずこういった詳細を書かないといけないという決まりはありません。
ですので、平面図は間取り図よりも詳しい情報が書かれた図、ぐらいの認識で大丈夫ですよ!

良い間取りと悪い間取り、何が違う?

間取りについて調べていくと、この間取りは良い、あるいはこの間取りは悪い、という評価をしばしば目にします。
でも、いろんな記事を読んでいると、一体何が良い間取りで、何が悪い間取りになるのかよくわかりませんよね。

というのも、同じような間取りをみていても、
ある人はこの間取りは良い間取りだ!
といい、
ある人はこの間取りは悪い!
と言うのです。

そういう記事をいくつも見ていると、余計に何が良くて何が悪いのかわかんないや、と思ってしまいます。

では、良い間取りと言われるものは、どういった特徴の間取りに対して使われるのでしょうか?

良い間取りとは、この間取り住みやすそうだな!と思える間取りに対して言われます。

実は、この住みやすそうという部分がポイントになるのです。

例えば、あなたが住みやすそうだなと思うポイントは何でしょうか?
ぼやっとで構いませんので、一度イメージしてみてください。

続いて、私が住みやすそうだなと思える間取りについて、ざっと箇条書きで挙げてみます。

①リビングが広いこと
在宅ワークが多いので、リビングにいる時間が長い。その分、寝室は最低限の広さでOK。

②家事がしやすいこと
家事は効率的に行いたいので、水回りは近い方が良い。

③キッチンは壁付キッチン
人気の対面キッチンよりも、壁付キッチンの方が料理に集中できるので好み。

さて、あなたが住みやすそうと思う間取りと比べて、いかがだったでしょうか?

昨今では、より大きなLDKが人気ですので、①の項目については共感してもらえるかもしれません。
しかし、寝室は狭くてOKという考え方には賛否両論になりそうです。

何故なら、私の場合は寝室はただ寝るためだけの部屋、という認識ですが、
他方、寝室では寝る前にゆっくりとテレビや映画を見たい、という方もいらっしゃいます。

そういう方には、寝室が狭いとちょっとストレスですよね。

また、③については少数派の意見になりそうです。

例えば私の妻は、料理中にテレビがみたいので対面キッチンの方が良いと言います。
一般的にも、対面キッチンの方が人気ですね。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、料理中にお子様の様子が伺えるというのも、対面キッチンの大きなメリットです(間取りにもよりますが)。

ですが、料理中にテレビを見るといったことはせず、料理に集中したい私にとっては、対面の方が良いのです。

こういうふうに、良い間取りと悪い間取りというのは、住まいに対する考え方一つで、大きく印象が違ってきます。
ある人が良いといった間取りが、あなたには住みにくい間取りになるかもしれないし、その逆もあるのです。

ここで大事なのは、あなたが住みやすい、快適だと感じるのはどういった条件だろう?
逆に、住みにくい、不快だと感じるのはどういった条件だろう?と、よくイメージしてみることです。

つまり、あなたにとっての良い間取り、悪い間取りを考える力が必要なのです!

もちろん、最初からいきなり自分の快適な間取りをイメージしてと言われても、中々難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、ある間取りについての記事や参考書を読むときに、どういった点で良い間取り、悪い間取りと判断しているのかについて、ちゃんと解説しているものを読むことです。

例えば先ほどのキッチンの例で言えば、
・私の場合→料理に集中したいので壁付キッチン派
・妻の場合→テレビを見ながら料理をしたいので対面キッチン派
というように、それぞれの立場から、どういう理由でそのキッチンが良いのかを説明しましたよね。

そうした事例をいくつも積み重ねることで、あなたの中にもこういう間取りが自分は好みだ!というイメージが湧き上がってくるのです。

逆に、そうしたイメージをまだ持てないうちに新しい住まいの間取りを決めてしまうと、住み始めてから後悔するかも…!?

このLIDOMAのブログをはじめ、間取りに関して解説してるブログや参考書を読み込み、ぜひ最高な間取りを見つけてくださいね!

以上、LIDOMAでした。