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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

建売住宅にはフェンスがない!?確認方法と、ない場合の対策について

皆さんこんにちは、二級建築士のLIDOMAです。

最近、友人からこんな質問を受けました。

「建売住宅ってフェンスはつけないのが普通なの?」

先に結論から言ってしまえば、敷地の状況によって異なるというのが正直なところです。
また、販売会社の方針によっても変わってくるでしょう。

でも、購入を検討しているお客様にとって、フェンスが付くのかどうかって、とても重要な問題ですよね。

そこで本記事では、

何故、フェンスのあるなしは敷地状況によって異なるのか?
フェンスが設置されるかどうかは、何をみて判断すれば良いのか?
フェンスがない場合は、設置することができるのか?

という疑問について、解説していきたいと思います。

フェンスはどういった役割があるのか?

まず始めに確認しておきたいのが、フェンスを設置することのメリット・デメリットです。

普段何気なくみるフェンスですが、改めてよく見ると、色々な種類がありますよね。

簡単に例を挙げるだけでも、

・細い網状で作られたメッシュフェンス
・木の板で作られた木製フェンス
・デザイン性の高いのアルミフェンス
・明るさを取り入れるアクリルパネルフェンス

などなど…本当に様々なフェンスが存在します。

そういった様々な種類のフェンスがある中で、共通するメリットして挙げられるのが以下の2点になります。

・道路やお隣さんの敷地(隣地)といった、自分の敷地と相手の敷地の境界をはっきりさせる
・道路や隣地からの不法侵入を防ぐ

どちらも、自分の敷地を守るためにとても重要な役割ですね。
一方、デメリットはどんな理由になるのでしょうか?以下に挙げてみましょう。

・建設時のトータル費用が上がる
圧迫感がある

建売住宅でフェンスを設置しない理由

以上を踏まえた上で、建売住宅で何故フェンスを設置しないのかについて見ていきましょう。

フェンスがない場合は、大きく分けて次の3つの理由が考えられます。

①敷地が狭く、フェンスを設置すると圧迫感が出てくるため
②住まい手によってフェンスの好みが分かれるため、工事内容に含まれていない
③コストを抑えるため

この3つの理由について、順番に確認していきます。

①敷地が狭く、フェンスを設置すると圧迫感が出てくるため

先ほど、フェンスを設置する際のデメリットとして挙げた理由の一つに、圧迫感があるという理由を記載しました。

人気の住宅地エリアなどは、できるだけ多くの家が建つように、一つ一つの敷地をかなり狭い幅で作ることがあります。
そうした敷地の場合、敷地の幅は建物が建てられる幅ギリギリ…なんてことも。

建物と敷地境界の間には、エコキュート等の設備機器や、間取りによっては勝手口が来ることもあります。

その際に、フェンスが設置されていると、必要な設備機器が置けなかったり、勝手口の扉が開き切れない、といった場合もあることから、フェンスを設置しない場合があります。

②住まい手によってフェンスの好みが分かれるため、工事内容に含まれていない

建売住宅でフェンスまで設置しようとした場合、一つの問題があります。それは、住まい手によってフェンスの好みが異なるという点。

先ほど、フェンスには様々な種類があると簡単にご紹介しましたが、様々な種類があるということは、人の好みも様々ということです。

木目調のフェンスが良いという方もいれば、シャープなアルミフェンスが良いという方もいるし、
フェンスは圧迫感があるから低めが良いという方もあれば、プライバシー優先で高めが良いという方もいらっしゃいます。

実際に私が関わった物件でも、フェンスの仕様まで決まっていた建売住宅で、工事完了直前にお客様が決まり、急遽フェンスの仕様を変えるという物件もありました。

こうした理由もあり、フェンス工事については別途工事(オプション)として扱っている会社さんも存在します。

③コストを抑えるため

こちらはもう単純な理由ですね。

安さを売りにしている販売会社は、販売価格を極力落とすために、必要最低限の内容になるよう日々調整しています。

そうしたときに、フェンスは必須ではないものとして扱われ、オプション扱いになることもしばしば。

フェンスが設置されるかどうか、買付を入れる前に必ず聞いておく!

こうした様々な理由により、フェンスがない建売住宅もあり得るということはイメージできたでしょうか?

購入希望の建売住宅がまだ工事中の場合、フェンスは付くのか付くないのか気になりますよね。

通常、フェンスの設置の有無は、配置図や外構図といった図面をみることで確認できます。
でも手っ取り早く確認するには、担当者に聞くのが一番で確実です!

なお、フェンスを設置するかどうかは、必ず買付前に確認しておきましょう。

それはなぜか?例えば、以下のようなパターンがあるのです。

・図面にはフェンスの記載をしていないけれど、元々フェンス分のコストは確保していた
・しかし、フェンス工事の前にお客様が付き、図面にも記載していなかったことからフェンス工事の費用はみていないことにする
・フェンスを設置する場合は、オプション扱いで別途費用を請求する

真面目に仕事をされている販売会社さんは、まずこんなことはしません。
しかし一方で、未だにこういった話を聞く会社さんがいるのもまた事実…

こういったトラブルに巻き込まれないためにも、購入前にしっかりと設置の有無を確認しておきましょう!

もし設置の予定がないと言われた場合、フェンスが設置されるのであれば購入します、と交渉するのもアリですよ。
よほど人気で問い合わせも多い物件などではない限り、交渉の余地は十分にあると思います。

フェンスがない場合、設置をお願いすることは可能?

最後に、元々フェンスを設置する予定がなかった物件にフェンスを設置することは可能か、について。

これは、現場が特殊でない限り基本的に可能です。

まだ外構工事まで終えていない物件であれば、外構工事とひとまとめにしてもらった方が工事費用を抑えることができるので、できるだけひとまとめにしてもらいましょう。

既に外構工事まで終えている物件については、建物の施工会社以外に、つてのある外構業者を探すのも手です。

終わりに

以上、本記事では、建売住宅にフェンスがないときの理由、そして対策について解説していきました。
それではまた。