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LIDOMA -建築士が作る間取りの教科書-

4LDKの1階に必要な部屋の種類・大きさ・広さについてまとめた画像

住みやすい家を考える前に知らなければいけない、最低限必要な部屋と広さ

家づくりをしていく中で、憧れの広いリビングや、使い勝手の良い水回り空間、広いお庭など、部分的な空間のイメージはすぐに思いつくけれど、自分が住むのにちょうど良い家の広さはどの程度が最適なのかがわからない、ということはありませんか?

自分の家のちょうど良い大きさを考える上で重要なことは、最低限必要な部屋の種類・大きさを把握した上で、もう少し気持ちよく使いたい、使い勝手よくしたいと思う部分にボリュームを与えていくことになります。

最低限必要な部屋と大きさを理解すれば、いろいろなプランをみたときにその間取りがどこに力を入れているのかがわかるようになります。

どこに力を入れているのかを読み取れるようになれば、自分がどういう間取りや空間構成を好んでいるのかが分かるはず!

ここでは、3LDKや4LDKといった間取りが具体的にどういった構成で作られていくのかを解説していこうと思います。

1. 最低限必要な部屋とその大きさ

1-1. そもそも3LDKや4LDKとは何の略なんだろう??

よく聞く言葉なので何となくイメージは出来るかと思いますが、具体的に何の略かご存じですか?と聞くと、実はよくわかっていないんです…という方もいらっしゃるので、ここで一旦言葉の定義の確認をしておきますね。

LDKとは、リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)を省略した言葉のことを言います。

昔はキッチンが別室にあったり、リビングの代わりに続き間の和室があったりするお家もありましたが、今はLDKとしてこの三つの機能を一つの部屋にまとめることが一般的になります。

またLDKの前につく数字は、居室(主寝室、子供部屋、扉で仕切ることになる和室など)の数を表します。

3LDKであればLDKの他に居室が3つ、4LDKであれば居室が4つあることになります。

部屋の名称や使い方については、分かりにくい部分もあるかと思いますので以下の記事にまとめています。
用語が気になる方はぜひチェックしてみてください!

それでは早速、3LDKと4LDKそれぞれの間取りごとに、1階と2階で最低限どういった部屋の種類と大きさが必要なのか、図を見ながら確認していきましょう!(こちらは木造の場合の寸法になりますが、RCや鉄骨造でも近い数字がベースとなってきます。)

2. 3LDKの場合

2-1. 3LDKの場合 1階に必要な部屋・大きさについて

1階に必要な部屋・大きさは下記の通りです。

3LDKの1階に必要な部屋の種類・大きさ
3LDKの1階に必要な部屋の種類・大きさについてまとめた画像
  • 玄関…戸建て住宅で必要なサイズは、2帖(1坪)が基本となります。このサイズを基本とし、ゆとりのある玄関にしたい場合は3帖〜4帖程度のサイズにすると、グッと広く感じるようになります。
  • 階段…一般的な回り階段のサイズは2帖が基本です。真っ直ぐな階段で構成される直階段も、2帖程度スペースをとっておけば大丈夫です。
  • トイレ…1帖が基本となります。カウンターを設置したい場合は、通常910×1820で作られるトイレを、1200×1820(短手側を300程度大きくする)のサイズで作ると、空間にゆとりがあって落ち着いたトイレ空間になります。
  • 洗面脱衣室…洗面手洗いと脱衣所を兼ねた部屋で、2帖(1坪)が基本となります。この2帖の空間に洗面化粧台、洗濯機が設置されます。
  • 浴室(UB)…2帖(1坪)が基本となります。ゆとりのあるお風呂にしたい場合は1.25坪タイプのUBを選ぶと、広々と使えるでしょう。
  • LDK…リビング・ダイニング・キッチンは一体の部屋として作ることが多く、それらをまとめてLDKと呼びます。LDKの標準的な大きさは16帖となっており、16帖より小さいと狭めのLDK、18帖以上あると広めのLDKといったような具合になります。昨今は充実したLDK空間を求められる方が多いので、LDKは18帖を標準としている工務店さんもいらっしゃいます。

3LDKの1階で必要な大きさをまとめると、最低でも約25帖(12.5坪)程度必要ということがわかります。

また、間取りの組み方によっては廊下が必要になってくることもありますので、そうするともう少し1階の必要面積が増えてきますね。

特に変形敷地(綺麗な四角ではない土地)については、無駄のない間取りにすることが難しく、廊下やホールといった余剰空間が出来がちです。

2-2. 3LDKの場合 2階に必要な部屋・大きさについて

次に2階で必要な部屋を見ていきましょう。

3LDKの2階に必要な部屋の種類・大きさ
3LDKの2階に必要な部屋の種類・大きさについてまとめた画像
  • 階段…1階でも出てきましたので、”あれっ…?”と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ですが、住宅の面積(延床面積)を算出する場合、2階の面積にも階段面積を算入します。
  • 廊下…1階の場合は、極力無駄を無くそうとすると、玄関ホールから直接LDKへ、そしてLDKから直接各部屋へと廊下をほとんど無くすことが出来るのですが、2階は多少なりとも廊下(あるいはホール)が必要となってきます。
  • 子供部屋…子供部屋については4.5帖〜6帖程度が一般的な広さとなります。最低でも、4.5帖は確保しておきたいところですね。また、収納については部屋の間口に合わせるか、1帖程度確保することが多いです。
  • 主審室…建主(夫婦など)のプライベートルームになります。7〜8帖程度が一般的で、収納については間口に合わせた形でとるか、2帖(1坪)程度のウォークインクローゼットを取る形が多くなります。

以上のことから、
3LDKの2階で必要な大きさをまとめると、最低でも約25帖(12.5坪)程度必要ということになり、これは1階とちょうど同じ大きさになります。

2-3. 3LDKの場合 まとめ

1階と2階の形・面積がほぼ同じものを総二階建てと言い、総二階建ての家は造りに無駄がないことからコストパフォーマンスが良くなります。

とにかくコストパフォーマンスが良い家を建てたい!という方は、総二階になる間取りを基準に家づくりを進めていくと良いでしょう。

また、3LDKの延床面積(1階の面積と2階の面積の合計)が25坪というのはコンパクトなサイズになりますので、この大きさを元に、リビングがもっと広くしたい(18帖以上)、玄関にはシューズクロークが欲しい、水回りスペースはもっと広くしたいなど、自分がこういう風に暮らしたいなという要望を取り込んでいくと、自分にとってちょうど良い大きさで、住みやすい住宅になるでしょう。

間取りがないとイメージしにくい!という方には、こちらの記事にて間取りを含めた解説を行っています。

3. 4LDKの場合

3-1. 4LDKの場合 1階に必要な部屋・大きさについて

3LDKと比べ、4LDKになると色々な余剰スペースが生まれてくることが多いです。最低限必要な4LDKであれば上記の3LDKの間取りに 1部屋(和室など)を追加したものになりますが、ここではもう少しゆとりをもった4LDKとしてみていきましょう。

1階に必要な部屋・大きさは下記の通りです。

4LDKの1階に必要な部屋の種類・大きさ
4LDKの1階に必要な部屋の種類・大きさについてまとめた画像
  • 玄関・ホール・トイレ・階段・洗面脱衣室・浴室…3LDKの1階と同様
  • シューズクローク…昨今のトレンドとして、玄関周りにはシューズクロークを設けることが多くあります。シューズクロークを設置することで玄関を常に綺麗に保つことができます。
  • 和室…こちらが3LDKと4LDKの大きな違いである、 1部屋になります。洋室か和室かは好みが分かれる傾向がありますが、和室にすることが多い印象です。

以上のことから、
4LDKの1階で必要な大きさをまとめると、最低でも約33帖(16.5坪)程度必要ということがわかります。

3-2. 4LDKの場合 2階に必要な部屋・大きさについて

引き続き、4LDKの2階をみていきましょう。

4LDKの2階に必要な部屋の種類・大きさ
4LDKの2階に必要な部屋の種類・大きさについてまとめた画像
  • 階段・廊下・子供部屋…3LDKの場合と同様です。
  • トイレ…最近は、面積にゆとりがあれば2階にトイレを設置することが多いです。2階にトイレがあれば、就寝中にトイレへ行くときにわざわざ1階へ降りなくて良かったり、1階で誰かがトイレを使っている最中にトイレに行きたい!となっても行くことができるといったメリットがあります。
  • 主寝室…こちらのパターンでは、主審室を8帖の大きさにしてみました。8帖あれば、ゆとりをもって使うことができます。
  • ウォークインクローゼット(WIC)…主寝室に隣接して使われるWICは、2帖を基本とし、荷物が多い方は3帖、あるいは4帖とスペースを増やしていきます。

以上のことから、
4LDKの2階で必要な大きさをまとめると、約27帖(13.5坪)程度必要ということがわかります。

4LDKの間取りを含めた解説はこちらをご参考ください。

3-3. 4LDKの場合 まとめ

3LDKのときは1階も2階も同じような規模になりましたが、4LDKの場合は1階の方が面積が大きくなっていますね。

このように、部屋数が増えたり、使い勝手を良くしたり効率の良い動線になるように工夫したりしていくと、どうしても1階の面積が大きくなりがちになります。

1階の面積が大きくなるほど、基礎をつくる面積が大きくなったり、屋根の面積が大きくなったりするので、坪単価(建物金額を延床面積で割ったもの)が高くなってしまいます。

その場合は、吹き抜けを利用したり、LDKを2階に持ってきたりすることでうまく調整出来ることもあるのですが、この辺りについてはまた別の記事でご紹介したいと思います。

それでは。

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