- 2022.01.31
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- 2022.04.10
住心地の良い家づくりを考えるときのバイブル本-中村好文さん-
こんにちは、二級建築士のmisohouseです。
今回は、私が今までにいろいろな本を読んだ中で、これはおすすめしたい!
と思った本を紹介したいと思います。
普通の住宅、普通の別荘 中村好文
まずはじめに紹介するのはこちら。私自身、めちゃくちゃ思い入れのある本です。
中村好文 普通の住宅、普通の別荘
この本は、私が設計事務所で働いている頃に購入したのですが、
今までに何度読んだかわからないぐらい読み返した本です。
建築家 中村好文とは??
丁寧な住宅の設計をする方にとっては、知らない人はいないぐらい有名な方ですが、
一般の人は、知らない人も多いかもしれません。
中村好文さんは、吉村順三という日本を代表する建築家の元で家具製作も行っていた、
住まいづくりのスペシャリストです。
建築家と聞くと、TVにもよく出てくる隈研吾さんや、安藤忠雄さんをイメージされる方が多いですよね。
隈研吾さんや安藤さんの建築は、これこそ建築家の建築だ!
という、かっこいい建物が多く作られています。
しかし、中村好文さんの作る住宅は、そういった建築とはちょっと違います。(失礼!?)
かっこをつけるような建築ではなく、一つ一つの空間を大事にし、
モノ・素材に敬意を払い、人間が一番落ち着けるような場所を作る…
そういった建築を作られる方なんです。
私自身、一番好きな建築家であり、もっとも尊敬する建築家でもあります。
建築の設計だけではなく、執筆活動もされていますので、
もし興味がある方は今回紹介する本以外にも調べてみてくださいね!
普通の住宅、普通の別荘の中身
この本は、七つの住宅と七つの別荘を紹介する、
中村好文さんの作品集のような本になります。
建築家の作品集は、通常であればその建築の写真(それもまだ人が住んでいない、できたての状態)と図面、
そしてその建物を設計するためにどういうプロセスを経て設計したかを説明する場合が普通。
しかし、中村好文さんの作品集は、そういうものとは異なります。
使われる写真は、クライアントが住みはじめた後の写真ですし、
執筆される文章は、クライアントとの対談だったり、設計依頼が入るまでのストーリーだったりと、まるでエッセイのよう。
いかにクライアントを大事にし、
そのクライアントならではの暮らしを作ろうとしているのかが分かります。
買って損はしないと言い切れる本だと思っておりますので、
機会があればぜひ読んでみてください。
中村好文 普通の住宅、普通の別荘
小屋から家へ 中村好文
続いて、”小屋から家へ”の紹介です。
この本は、先程紹介しました”普通の住宅、普通の別荘”から3年後に出版された、続編のような本になります。
中村好文 小屋から家へ
小屋と聞くと、物置小屋のこと??と思う方もいるかと思いますが、
この本では「そこに人が住むことのできる小さな建物」と定義しています。
そして古今東西、名作と言われる小屋の紹介から、
中村好文さんが今までに設計してきた建築を小さいものから大きいものまで紹介していくのです。
住宅の設計をする際、”もう少し面積があればもっと住みやすくなるのに”と思ったときにこそ、
この本を読み返してみると、いやまだやれることがあるかもしれない…!
と考え直させてくれる本なのです。
最近では天井高が高いことをアピールする住宅メーカーのCMもありますが、
果たして天井の高さが本当に住みやすさ・居心地に繋がるのか、
本当に住みやすい、居心地の良い空間とはどういう空間なのか。
そういった問の答えを、この本は教えてくれるような気がしています。
中村好文 小屋から家へ
最後に
今回は簡単に二冊の本を紹介しましたが、まだまだ紹介したい本がたくさんあるので、
随時更新していきますね。
以上、LIDOMAの間取り教室でした。